「感情むき出しの侍レーサー」──角田裕毅という存在がF1を面白くしている理由

F-1

なぜ「角田裕毅」なのか?

SNSでたまたま見た「世界に通用する日本人4人」の投稿。大谷翔平、井上尚弥、久保建英──そこに、知らない名前がひとつあった。

「角田裕毅」って誰?

F1ってそんなにすごいの?彼の名前を調べたとき、正直なところ「F1自体あんまり知らないけど、そんな有名な人なのか?」という感覚だった。昔モナコを旅行したとき、現地ガイドが「この国はF1のためにあるようなもんです」と言っていたけれど、そのときはピンとこなかった。

そこから、F1と角田の世界を調べ始めて──気づいたら“この人が走っているF1”を追いかけるようになっていた。

感情むき出しの“侍”──角田裕毅の魅力

F1は冷静沈着なスポーツだと思っていた。ところが彼の無線音声を聞いた瞬間、そのイメージは崩れた。

「WHAT THE F××× ARE YOU DOING!?」

出典:autosport web

チームとの無線で感情を爆発させる角田。その姿に、最初は驚いた。でも、それが単なる暴言ではないことにすぐ気づいた。

彼は、自分の意見を正面からぶつけている。

それも、ヨーロッパというアウェイの舞台で、日本人として、堂々と主張する。これは簡単なことじゃない。

https://youtu.be/nMejAZUdsU0?si=DDWUTC6H0LOU4A7D

僕自身も大学で、ヨーロッパ人5人と一緒にアプリを開発するビジネスコンテストに出たことがある。語学力だけでは通用しない。文化や発言力、背景知識まで求められる。その中で対等に戦うのがどれだけ大変か、身に染みてわかっている。

角田はその世界で、毎週命を懸けて戦っている。

実績で見る“異常さ”──レーシングブルズ時代の快挙

角田は長らく、F1のトップチーム「レッドブル」の下部組織、レーシングブルズ(旧アルファタウリ)に所属していた。

このチームのマシンは、正直トップレベルではない。

レースは基本的にマシン性能で決まる。5位や6位に入ることが難しいマシンで、10位以内(ポイント圏内)に食い込む。それ自体が快挙だ。

そして彼は、毎年チームメイトに勝ち続けてきた。

特に2023年は、車が不調だったにもかかわらず、何度も結果を出した。その走りを見て、僕はこう思った。

「“見えないすごさ”が、ここにはある」

角田のこれまでとこれから──経歴の異常さと未来

角田裕毅は2000年5月11日生まれ(現在24歳)、神奈川県相模原市出身。

▷ 主な経歴(年齢つき)

  • 4歳〜:父の影響でカートを始める(モータースポーツとの出会い)
  • 中学時代:全日本ジュニアカート選手権などで全国トップレベルの成績
  • 2016年(16歳):全日本F4選手権に参戦(初年度で表彰台を獲得)
  • 2018年(18歳):Hondaの育成プログラム「HFDP」に選抜
  • 2019年(19歳):FIA-F3選手権にステップアップ、ヨーロッパへ拠点を移す
  • 2020年(20歳):FIA-F2選手権に挑戦、ランキング3位という驚異的な成績
  • 2021年(21歳):F1デビュー(日本人史上最年少でのフル参戦)
  • 2024年(24歳):ついにF1のトップチーム「レッドブル・レーシング」へ昇格

Hondaの支援と、レッドブルの育成プログラムという“二重の後押し”が、角田の道を拓いた。

そもそもF1ドライバーは、世界でたった20人しかいない“超狭き門”。その中でデビューできるのはほんの一握り。しかも21歳でのF1デビューは日本人最年少、世界的にも異例の早さだ。

さらに言えば、今回角田が昇格した**「レッドブル・レーシング」は、世界選手権を連覇する超トップチーム。**そこに日本人が正式に加入すること自体が、歴史的な出来事だ。

ここからが本当の戦いであり、本当の見どころだ。

レッドブルという「優勝できるマシン」を手にした今、角田裕毅がどんな走りを見せるのか──目が離せない。

彼がいるだけで、F1がドラマになる

なぜ角田がF1を面白くするのか?僕なりに理由を言葉にしてみた。

  • 感情の爆発が人間味を見せる
  • 一戦ごとに進化していく過程が見える
  • 日本人として感情移入しやすい
  • 何が起きるかわからない──今が一番“面白い時期”

角田の存在があるだけで、F1という舞台がもっと身近に感じられる。


次の記事へ:「F1のルールとポイント制度を知れば、レースの見方が変わる」

角田が戦っている舞台──F1ってどうやって勝ち負けが決まるの?
次回はそのルールや仕組みに迫ってみたいと思う。

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